誕生日の前日10km~後編~

後半戦が苦しくなってしまった三郷シティハーフマラソンの10km部門。

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 苦しさで注意力が低下したか、公式のキロ表示が全くわからなくなったまま、手元のガーミンをたよりに走っていた。

集団の最後尾で粘る

交通規制をしている道路でも、通行を待機する車がいると、ランナーが途切れるタイミングで通している様子だった。それに気づいたのは、私が走り抜けるタイミングで「どうぞ!はやく!」と車を誘導した場面に遭遇したため。

なんとなく、自分の後ろに人の気配がしないなと感じていたが、やはり集団の最後尾を走っていたようだ。となると、自分の前に連なる人たちが概ね50分から51分台を目指して走っている人だろうと推定する。

この集団についていけなくなったら、52分切りは難しいかもしれない。ここは、何が何でもついていこう。そう言い聞かせて粘った。

合わない走行距離

ハーフマラソンも終盤は同じコースになるのだが「ハーフ残り3km」という看板に気付き、手元のガーミンとの差に気付く。事前にコースを暗記したわけではないが、ハーフはスタートとゴールの数キロが10kmと一緒で、途中に河川敷を長く走るだけの違いだったはずだ。

となると、この残り3kmは自分達10kmも同じではないのか・・・でも手元ではとうに3kmを切っている。なんということだ。高架の下をくぐったりするとGPSの捕捉に影響があることもあるようなので、その影響だろうか。

先輩はこういう時にあっという間にズレの計算が出来るのだが、悲しいかな、数字に絶望的に弱い私は「違う」ことはわかっても、「どの程度」で「思っているよりも速い」のか「思っているよりも遅い」のか「今のペースだとどうなる」のかなどがさっぱりわからない。

52分を切れるのかな・・・無理なのかな・・・と、急に弱気になってしまった。

潜るわ合わないわで大混乱のゴール前

そんなタイミングで今度はコースが急な下り坂になり、道路を潜り始めた。そのままゴールまでいくはずもなく、こんなに下るなら当然に同じだけ上るんだろうと嫌な予感を抱きつつ地面に吸い込まれていく。

予想通り、その先に待つのは上り坂だった。終盤の坂はきつい。しんどい、しんどい、しんどい、と上るが、食らいつこうと決めた前の人たちとの差が大きくなる。

あぁ、52分切れないのかな、でも1秒でも頑張りたいな、でも苦しいな、と思いつつ、ここでも沿道の声援に元気づけられてようやく陸上競技場へ。トラックの途中で手元のガーミンは10kmを終えた。200mくらい違うだろうか。とりあえず、細かいことは後で考えよう、ゴールまで行こうとスパートをかけた。

まさかの結末

51分42秒(ネット51分28秒)で、目標の52分切りを無事に達成!距離の誤差に関しての謎は残りつつも、ネットタイムで計算するとキロ5分8秒ペースなので、まぁガーミンのGPS誤作動かなと。

記録証を発行してもらいに行くと・・・「はい、こちらですね」と渡されたのは入賞者の札。

え?入賞?と驚きつつ目にした記録証には6位と印刷されていた。

人生で初めての入賞、初めての賞状。

5位とは1分差。他の大会の入賞者を考えてもレベルが違うだろうとも思ったので、いただいていいのかなという気持ちもありつつ、入賞は入賞だ!頑張ったもん!という嬉しさも。

走り始めて半年。1年前の自分は日常でちょっと歩くことも渋る状況だったのだから、入賞はきっと神様からの誕生日プレゼント。またこの先も継続して頑張りなさいよと激励をもらったような気持ちで額縁に飾ったのだった。